Balming Tigerは、役割の違う11人でつくる制作集団
Balming Tigerは2017年に結成した韓国の音楽コレクティブ。現在は11人で活動し、ラッパーやシンガー、プロデューサー、映像監督、デザイナーなど、異なる役割のメンバーが参加している。
ステージに立つメンバーのほかに、楽曲制作、ミュージックビデオの演出、作品全体のビジュアルを担うメンバーがいる。
同じメンバーが音楽、映像、デザインの別々の役割で作品に関わる。Balming Tigerは、演者と制作スタッフを分けた一般的な編成とは異なる形で活動している。

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『Gongbu』は、全員の好みが違うことを確認するところから始まった
2ndアルバム『Gongbu』は2026年5月19日リリース、全14曲。制作前にはメンバー全員でワークショップを開き、それぞれが今回どんな音楽を作りたいのかを話し合った。
そこで見えたのは、長く一緒に活動してきたメンバー同士でも、好みややりたいことに想像以上の違いがあるということだった。
Balming Tigerはその違いを残したまま、アルバムの方向を具体化した。11人の好みは揃っていない。それでも一つの作品をつくる。その関係が『Gongbu』の制作過程にも表れている。

架空の研究所「Gongbu Korea」が、音源の外まで続いていく
『Gongbu』の舞台として設定されたのが、夢や無意識を観察する架空の研究所「Gongbu Korea」だ。
この設定はMVやライブにも続く。「Home」のMVでは韓国の伝統的な婚礼文化をモチーフにし、「Keep On」では夢と無意識を扱う。曲ごとに別の映像を作りながら、同じ作品世界の中に置いている。
アルバムとMVには同じ設定や人物像が共有され、音楽、映像、デザインが一つの作品としてつながっている。

欧州ツアーを経て、欧米の流行より韓国・アジアの固有性へ
2025年の欧州ツアーを経て、Omega Sapienは、欧米の流行を追うよりも韓国やアジアという自分たちの固有性を深める方が重要だと語っている。
ここでいう固有性は、「韓国らしい音」を一つ決める話とは少し違う。11人がそれぞれ違う音楽や映像の感覚を持ちながら、どこで生活し、何を見てきたかを作品の材料にするという考え方に近い。
『Gongbu』のワークショップでメンバー間の違いを確認したことと、ツアー後に自分たちのルーツを見直したことは別の出来事だが、どちらも外の流行へ合わせる前に、自分たちの中にあるものを見直す姿勢としてつながっている。
日本ではFUJI ROCK、渋谷単独公演、新しい学校のリーダーズとの共作も
日本との接点も増えている。Balming Tigerは2025年にFUJI ROCK FESTIVALへ出演し、同年11月28日には渋谷・Spotify O-EASTで単独公演「WORLD EXPO ’25 Tour」を開催した。
新しい学校のリーダーズとは「Narani Narani」で共演している。FUJI ROCK出演、単独公演、国内アーティストとの共作と、日本での接点は複数ある。
『Gongbu』では音源とMVが同じ設定を共有し、映像やデザインを担うメンバーも作品制作に加わる。11人という人数は、ステージ上の編成だけでなく、音楽からビジュアルまでを内部でつくる制作体制にも表れている。




